恩田 弘陽
二度と見られない景色のなかで、働きたかった
私がやま幸を知ったのは、通っていた高校の求人票でした。私が入社する年は、ちょうど築地市場が豊洲へ移転し、解体されるタイミングで、築地には一度も足を運んだことがなかったからこそ、「もう二度と見ることのできない場所で、働いてみたい」と強く思ったのが入社の大きなきっかけでした。食べ物のなかでも鮪が特別に好きだったことも、その背中を押してくれました。
一尾と向き合い、納得のいく鮪を届ける
現在は、競り場でお客様に喜んでいただける鮪を目利きし、入札・競り落としを行うところから一日が始まります。競り落とした鮪は、その日に下ろすか、翌日に向けて在庫として寝かせるかを見極め、下ろす分は速やかに5枚下ろしにし、さらにお客様の注文に合わせてブロックにカットしていきます。
担当しているお客様の顔を思い浮かべながら、「このマグロをお出ししたらきっと喜んでもらえる」と確信できるまで、マグロを下ろしては見てを繰り返します。次のご注文でさらに良いマグロをお出しするために、納品後はご連絡を差し上げ、ご感想を伺うことも欠かしません。
仲卸とは、最後の一切れまで見届けられる唯一の仕事
豊洲の鮪仲卸は、東西南北で水揚げされた鮪を日本一の規模で目にできる場所であり、鮪の知識を最も吸収できる職種だと感じています。中でも、仲卸ならではの醍醐味は、自分が良いと信じた鮪を仕入れ、お客様のもとへ届け、そして最後の一切れになるまで見届けられること。
以前、自分が絶対の確信を持って出荷させていただいたマグロについてお客様からもすぐご連絡があり「今回の鮪、素晴らしいね」というお言葉をいただきその鮪についてお互いの想いを語り合えた時間は、忘れられない思い出です。
私はやま幸の今後を担っていくためにも、これからも誰よりも鮪を見て、仕入れ、確かな判断でお客様へお届けする。その先にある「美味しい」やお客様に喜んでいただける、そんな鮪のプロフェッショナルを目指していきます。